近頃は、漢方薬も一部でははやりというか、漢方を掲げるクリニックもちらほら見かけますな。

何十年も漢方やってきた私でも、未だに東洋医学の内臓の生理というもんがいかに大事かゆうことを実感する症例がありました。

昨年、近所に住む奥さんから相談受けたんです。旦那さんである60代男性のことで。
2年程前、身体が疲れてしんどかったんで、市内のクリニックで検査受けたら血尿が出たそうです。そのクリニックは県立大学漢方科で勤めた先生が開いたクリニックで、血尿に対して、猪苓湯やら、芎帰膠艾湯や出して貰ったそうです。

それでも血尿が止まらんので、クリニックの先生は地元の県立病院を紹介し、男性はそこで診てもらうようになったんですわ。

そしたら、お決まりのステロイド治療開始。1年半くらいも続けてステロイドの量は増え続け、10mgにまでなってました。副作用でムーンフェイスどころか、ふるえ(痙攣)起こすようになってしもて、パーキンソン病の薬まで飲まされるようになってきた。
血尿は相変わらずです。

「うちの主人、医者の言うとおりに薬飲んで、大変なことになってますわ。ちょっと診たって下さい!」 て、奥さんに相談されたんです。

ご主人は、やけにハイテンションで、顔を見たら、なんとも言えんぽぉーっとした、赤いお顔をしてました。それで、思いだしたんですわ。清腸湯。

『一論溺血者、小便出血、乃心移熱于小腸也、‥‥』寿世保元
いわく小便出血する者、心から小腸に熱移る‥‥
消化器系なら顔は赤くなりまへん。変な赤さやったし、ハイテンションなんは、心の症状やね。

小腸は『受盛の官』
胃から受け取った清濁を秘別し、清を『脾』へ、濁の中の固形分は『大腸』へ、水分は『膀胱』へ送っとります。つまりおしっこは小腸で作られるんですわ。

 清腸湯を3ヶ月くらい飲んで、血尿は下がりました。
関係ないパーキンソン病の薬は止めて、ステロイドの薬を徐々に減量しとります。
清腸湯に車前子加えるのは、血尿にたいして、京都の細野門下では常識ですわ。甘草も加えるけど、本体に入ってるしね。

半年服用して、血尿はほぼマイナスになった。
医者は、難病指定してたくらいやから、自分とこで治ったと思って、男性に生検さしてくれ!と頼んできた。漢方飲んでることは言うてないんやね。

「うちの主人はモルモットか!」て、奥さんが怒ってましたわ。
検査ゆうても、ご主人は治ってて意味ないし、いいことはないから(危険ゼロではない)絶対やめときやと助言しました。

東洋医学の臓腑の役割も、最新の機器がない時代から、何千年も続いてきたんやから、真実を突いてますわな。

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