人参は白血球を増やすという話をしたら、今でも思い出します。
白血病で若くして死んだ友人の娘さんのこと。 

もう20年程前の話です。彼女は当時、私立大学の女子学生でした。体調を崩して入院し、白血病と診断されました。
彼女の父親は、医師で当時私らの漢方研究会の仲間でした。
当時、白血病の治療に骨髄移植という方法が試されだした頃でした。
骨髄移植するなら、京大か阪大やろうかという話になったんですが、当時彼女の親戚の女医さんがアメリカにいて、骨髄移植の情報について聞いたらあまり良くなかったんでしょうな。今はもっと進んでるでしょうが、なにしろやり始めたばかりの頃ですから。
「子供ができない」という話を聞いて、若い娘さんやからやめたんですわ。

その頃、大阪市立大学に南京中医大学の中医師が来日し、西洋医の資格も持っていて、瘀血を取る為に、爬虫類を使うことで有名やったんです。

彼女本人は、入院していて診てもらうことは不可能やから、父親と、私と、友人と3人で、帰国したその中医師に会いに、南京に行き、中医大学で相談しました。
中医師に漢方薬を処方してもらい、帰国して日本で作って、彼女に服用して貰いました。まあ、抗ガン作用を主体とした生薬が主で、ムカデなんかも入ってましたな。
3~4ヶ月飲んだけど、残念ながら、あまり変化はなかったんです。

相変わらず、白血球や血小板が減少する。
それで独参湯を出しました。
そしたら、2000/dlまで下がってた白血球が2500/dlまで増えたんです。
少し大棗や生姜が入ってますが、殆ど人参が主役です。この場合の人参は、良い人参でないとあきません。朝鮮半島の高麗人参か、日本産やったら、島根県の大根島の人参が間違いないですわ。良い人参は効きます。

白血球が2500/dl以上に増えたら、抗癌剤の投与が始まりました。
そしたら、たちまち白血球が2000/dlを切る。
そしたら、また抗癌剤をやめて、独参湯を飲む。
抗癌剤と独参湯のいたちごっこですわ。

私立の大学病院に入院してたんですが、大学病院というのは研究機関やから、新しい薬を使わないとしょうがない。いくら父親が医師でも、抗癌剤使わんなら、入院させてもらえんのです。

またその頃、K大学のT中医師が、免疫力を上げるのに黄耆が良いと言い出した。
黄耆を1日10~20gも使えというんです。
「とんでもない!身体がふにゃふにゃになりまっせ!」と反対しました。
でも使うというんで、しょうがないからせめて1日5gに減らして飲ませました。
案の定、本人が「しんどい!だるい!」ゆうて、1週間でやめました。

亡くなる半年前、もう身体の免疫が相当弱ってきてたせいか、大便にカビが生えるようになった。抗生物質は効かないんです。なんせ、CRPはゼロ。白血球がないんやから。

「黄柏しか効かない」とゆうたら、病院側が、黄柏の主成分の「塩化ベルべリンが良い」とゆうて塩化ベルべリン単独を飲ませたが、効かなかった。

黄柏10gを濃いめに煎じて飲ませ、3日経って便検査したらカビは消えました。
やっぱり漢方薬は部分では効かんということです。

彼女は、おおかた3年くらい入院されましたが、独参湯と抗癌剤のせめぎあい‥‥
結局、最後は体力が落ちて、肝不全で死亡されました。

もっと寿命は短いといわれてたから、3年はもったほうでしたが‥‥
独参湯だけ飲ませてたらと、思ってしまいますわ。
しかし、病院の滅菌室におらなあかんかったから、しょうがないと言えばしょうがないんですが‥‥さみしなる話です。

s-IMG_0189